車を持ってない人のための高千穂旅行ガイド (2) 
催眠療法体験記
★ 高千穂峡 遊歩道
さて本来ならボートで通るつもりだった高千穂峡。
岸にある遊歩道で散策するのも、良いものです。
深い渓谷の対岸は、ガンジーのあばら骨のように層状模様を呈した岩肌が。
火山による造型美で、「仙人の屏風岩」と言うそうです。
この仙人の屏風岩が、どこまでも続いています。
こんな広い面積が「屏風」だなんて、仙人は大柄なんですね。

ところでこの遊歩道、よくしたもので、
「もうそろ引き返してタクシーに乗ろうか」と思うあたりに地図が立ててあります。
引き返すのとちょうど同じぐらいの距離を歩けば、そこにもタクシー乗り場がある、と…。
「なら、せっかくだから歩こうか」という人続出(笑)。
渓谷の幅がめちゃくちゃ狭くなったところや、
2つの川が合流してどうどうと水が流れる場所、
岩が岩肌を削ってできた窪み、「ポットホール」など、珍しい自然をみることができます。

遊歩道は、「あららぎの里」という、お店のある付近に着いて、タクシー。

が普通のルートですが、遊歩道自体はまだまだ続いています。

ボート乗り場からあららぎの里、までと同じぐらいの距離をさらに歩けば、高千穂神社に着くという表示。

……。

あの勾配を登ると思うと気が遠くなりましたが、
「せっかくだから」とチャレンジ。

まだまだ続く仙人の屏風岩、
すぐ下に渓谷の音、
高い木立、
山肌から滴り落ちるしずく。

「天孫降臨」とか「スピリチュアルスポット」とか、私はそういう霊的なありがたさがよく分かるほうではありませんが、
それでも、ここの森林浴、濃い空気は、恩恵です。
他に誰も居ません。
黙々と登山。

緑に同化した頃、目の前に…。


見にくいですが、
「分け入っても 分け入っても 青い山」

なんと、山頭火は高千穂でこの句を詠んだのですね。

で、
山頭火の碑を通り過ぎたら、ふいに、高千穂神社の境内に到着。
あららぎの里から15分ぐらいでしょうか。

神社というのも十分、スピリチュアルスポットなのでしょうが、
人の居ない高千穂の山道を歩いてきたあとでは、
高千穂神社が、やけに人間くさいところに感じられました。

ということで、遊歩道はお勧めです。
もっと楽に行きたい人は、
私が通ったのとは逆の順路、つまり、
高千穂神社の、夜神楽のある建物の裏手から降りて、この遊歩道を通り、あららぎの里に行くべきでしょう(笑)。



★ くしふる神社

バスセンターから、高千穂神社とは逆の方向に行くと、この神社があります。
地図上で見ると、10分ぐらいに見えるのですが、だらだら登り坂なので、15分ぐらいかかるかもです。
古事記によると、地上を統治するために派遣されたニニギノミコトという神様が、降り立った場所がくしふるの山なんだそうで、それがいわゆる「天孫降臨」なんだそうです。

神社の入り口からすでに、高い木立のアーチがただならぬ感じ。
右脇に土俵を見ながら、階段をさらに上がっていくと、
正面に、小さな小さな境内。

なんだか清浄で、木々もまっすぐ高く、
とても良い、と思いました。
(余談:それがまた、触ると気持ちのよい木々で…。
誰も人がいなくて、おみくじも、たった50円だし。)

参道周辺の木々も、森好きにはこたえられない光景でした。

この周辺には、樹齢1300年ものケヤキの木の根元に水が沸いているという「天真名井」や、
天孫降臨後、神々がこの丘に立ち高天原を遠くから拝んだという「高天原遥拝所」、
神武天皇の御兄弟神の生誕地とされる「四皇子峰」などあり、
絶好の散策ポイントのようです。
私は時間がなくていけませんでしたが、
たぶん1時間ぐらい時間があったら、周れるでしょう。



★ 高千穂神社の夜神楽

運転手さんに聞きましたが、
高千穂の夜神楽というのは本来、毎年11月から2月の間、高千穂のそれぞれの集落の方々が、集落ごとにまる一晩かけて(!)夜神楽を舞い、神社に奉納するものなのだそうです。
その夜神楽の一部を、観光神楽として、毎日20:00からの1時間、披露してくださっているということで。
各集落の方が、もちまわりで、担当なさっているそうです。

最初の挨拶で太鼓の方が、「私どもは昼間は、百姓や勤め人をしていますから、お見苦しいところもあるかと思いますが、」とおっしゃってましたが、
そういう地元の方が、もちまわりとはいえ、「毎晩」年中無休って、すごいですよね…。

演目は代表的な4つで、
舞は思案気に、誘うように、やがて勇ましく、
しかし、しまいには、チョー人間的な演目になだれ込んで行きました。
神様なのに…。
日本の神様って…。(笑)
「高千穂神社が人間くさい」のも納得です。

ちなみに
地域によって、伝承されている舞が微妙に違うので、この観光夜神楽も、
日によって微妙に違うんだそうです。

高千穂の方の暮らしの一端を垣間見させていただいた気もしました。



★ 天岩戸神社

さて、天照大神を祀る神社として有名な、天岩戸神社は、
バスセンターから8kmもあり、さすがに歩いては行けません。

こんな感じで、岩戸行きのバスが出ています。300円です。△は日曜運休です。
タクシーだと1800円ぐらい。
元気のある若い方なら、丸一日使える電動自転車を借りる手もあるでしょう(バスセンターに貼り紙があります)。





神社の中には、天照大神がお隠れになったという天岩戸の洞窟があります。弟スサノオノミコトの乱暴に怒って、お隠れになったとか。
天岩戸の洞窟は、勝手には見ることができませんが、社務所の方に案内・同行していただければ、見ることができます。
「天岩戸の洞窟の見学は、前もって社務所に予約を」と、HPに書いてあったりしますが、
社務所の方によると、予約が明らかに必要なのは団体さんであって、
少人数の場合は、社務所が空いている時間に、その場で申し出てOKとのことです。
たいてい、少し待ってると団体さんが来られたり、他の少人数のグループが来られますから、一緒に回ることができます。
で、この洞窟のある崖を、対岸から拝むのですが。
私が行ったのは、真夏だったので、崖に緑が生い茂り、洞窟といえば洞窟なんだろうな、ぐらいしか分かりませんでしたけど、
神様がお隠れになった、という想定だけあって、けっこう大きいですね。

案内つきでないと天岩戸の見学ができませんので、
案内してくださる職員の方が何人もおられて、
しかも、拝観料が高くない(150円)ですから、この天岩戸の運営は大変なのではなかろうかと、ひとごとながら思いました。



★ 温泉

最後に温泉についての伝聞です。
高千穂では、宿に普通に温泉があったりはしません。
さきほどの岩戸行きバスの、天岩戸神社のちょっと手前に、「天岩戸温泉」というバス停があり、
そこから登ると、温泉施設です。
バスでは、何人かの地元のおじちゃんが、「天岩戸温泉」で降りてらっしゃいました。
温泉で有名な温泉地、というわけではないですから、
タクシーの運転手さんの話によると、
特に硫黄臭がしたり、ぬめりがあったりというような特徴的な温泉ではないけれど、とのことです。
この、天岩戸温泉のお湯を、ひっぱったのが、より町に近くて新しい「高千穂温泉」という施設だそうです。
天岩戸温泉のほうは、「湯量が少し減ってきよるらしくて、時々、機械点検のため、と言って、休館してますけどね。」だそうで。
次に行く機会があったら、今のうちに、天の岩戸温泉に行こう、と思いました。



★ おまけ




高千穂バスセンター周辺に生息しているにゃんこです。
触らせてはくれないけれど、堂々と人のそばに居て、時を過ごしています。
宮崎の方が、あんまり無理して触ろうとせず、放っておいてあげるからでしょうかね。
このにゃんこに限らず、町の犬、猫は、のんびりと幸せそうでした。





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以上、「車を持ってない人のための高千穂旅行ガイド」を書いてみました。
しかし、まあ、一般的には、車を持ってない人は、観光タクシーを雇うでしょうね…(笑)。
コースにもよりますが3時間で1万円ぐらい。町に着いてすぐ頼むことができます。

ということで、「車を持っていない人のための‘節約’高千穂旅行ガイド」でした。



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